遠方と手元が両方カバーできる累進レンズですが、装用者の不満として2つの要素があげられます。
ひとつは「クリアに見える視界領域の広さに対する不満」。もうひとつは「周辺部のゆれ・歪みに対する不満」。実はこのふたつ、対極的な存在で、片方に比重を置くと、どうしてももう片方に負担がかかるため、両者を同時に解決することは累進レンズの特性上、不可能と言われています。
「FFiシリーズ」はそういった累進レンズの特性を踏まえた上で、いかに両者をバランスよく配置させることができるかに設計基準を置き、開発された新型の内面累進レンズです。
表面カーブを一定化することにより内面累進デザインの自由度を向上させ、視界域の拡大と収差(ゆがみ)の軽減に成功。ライフスタイルに合わせた5タイプから選択いただけます。
※ 画像はイメージです
従来の外面累進レンズは表面に累進成分が含まれていたためカーブが一定ではなく、内面の度数成分精製時にベースカーブから外れると非点収差(ゆがみの原因)が生じていました。
一方、FFiシリーズ内面累進レンズは、表面のカーブを一定化。内面の累進デザインは表面カーブからの干渉を全く受けないため、設計の自由度は高まり、精度もアップします。
内面累進レンズは「累進設計デザイン」が外面累進レンズに比べ目の近くにあるため、視野が広くなります。
上記図は外面累進(旧式タイプ)と内面累進レンズの度数分布図をイラスト化したものです。下の曲線は、分布図の赤色で囲った部分の度数変化をグラフ化したもので、左右に視線移動した際、グラフの形状がそのまま「ゆれ」を表しています。不要な度数の固まり(収差)が多く見られる外面累進レンズは「ゆれ」が大きく、度数がなだらかに変化する内面累進では「ゆれ」が抑えられていることが分かります。
「FF-iQ(アイキュー)」は「FFiシリーズ」の基本設計となる遠近両用内面累進レンズです。
累進レンズ特有の「ゆれ」「歪み」を最大限に抑えたなめらかな度数変化が特徴で、累進レンズを使ったことがない初心者でも慣れやすい設計となっております。
「FF-itec(アイテック)」は「FFiシリーズ」において、遠用の明視域を広く設定した遠近両用内面累進レンズです。
左右の視線移動に対応した累進設計で、遠用部を広角的に利用できるため、ドライブ・スポーツなどの屋外活動でもご活用いただけます。
「FFオフィス」は「FFiシリーズ」において、室内用に限定し、中近レンズ特有のレンズ側方部の揺れ・ゆがみを大幅に軽減した 中近 内面累進レンズです。
アイポイントで見た時に 1m付近が鮮明に見えるように設計されています。遠用ポイントの焦点距離が 4mで設定されているため、プレゼン時のスクリーンなどもフォローでき、オフィス内でのご利用にも最適です。
「FFタブレット」は「FFiシリーズ」において、室内用に限定し、中近レンズ特有のレンズ側方部の揺れ・ゆがみを大幅に軽減。手元作業に特化させた 中近 内面累進レンズです。
アイポイントで見た時に 80cm付近が鮮明に見えるように設計されています。近用から中間距離の視界域が大きく、手元作業に特化させた設計となっています。遠用ポイントの焦点距離は 2mで、テレビ鑑賞などにも最適です。
「FFノート」は「FFiシリーズ」において、デスクワーク用に限定し、中近レンズ特有のレンズ側方部の揺れ・ゆがみを大幅に軽減。 デスクまわりを全てカバーできるように設計された近用ワイド内面累進レンズです。
アイポイントで見た時に 70cm付近が鮮明に見えるように設計されています。FFiQ(遠近両用内面累進レンズ)と比較すると近用部は約2倍の広さを確保。遠用ポイントの焦点距離は 1mで、デスク周りからPCモニター距離をカバーします。
「FFiアクセス」は「FFiシリーズ」において、デスクワーク用に限定し、レンズ側方部の揺れ・ゆがみを大幅に軽減。デスクまわりを全てカバーできるように設計された近用ワイド内面累進レンズです。
FFノートのような焦点距離固定型ではなく、従来からの近々レンズで見られた手元度数からのマイナス加入式近用ワイドレンズです。
「FF-iRefre(アイ・リフレ)」は「FFiシリーズ」において、揺れ・歪みを大幅に軽減させた内面累進設計をベースに考案されたリラックスゾーンを搭載した スマートフォン用 内面設計レンズです。
スマ―トフォンの画面を見る際、目の筋肉(毛様体筋)を使いスマホへのピントを合わせますが、ピント調節の負荷を減らすパワーアシスト機能を装備。年齢とライフスタイルに合わせて0.50/0.75の2タイプから選択いただけます。
「FFiシリーズ」全商品、オプションでカスタム設定が可能です。カスタム設定をすると「両眼視 最適化アルゴリズム」が標準化され、両眼視用に度数・プリズム補正が自動的に行われます。高度な最適化アルゴリズムは2つの目の画像を融合し、結果として両眼視力が強化されます。
■ 注意事項
□ 従来の累進レンズと比較して、レンズ側方のゆれ・歪みを抑えた設計となっていますが、見え方に慣れないうちは、ゆれ・歪みを感じることがあります。
□ FF-iQ・FF-itecは車の運転が可能ですが、運転には遠くから近くまで、様々な視野が必要となってくるため、レンズに慣れてから行って下さい。
□ FFオフィス・FFタブレットは、車の運転やスポーツなど、広角的な視野を必要とする行為には使用しないで下さい。
□ オプションのカスタム設定を選択すると、両眼視強化を目的とし、自動的に度数・プリズム補正がかかります。そのため処方度数と実際に仕上がった度数には違いが出ます。