下記の図は、標準的なレンズコーティング(ハードマルチCSコート)の構造図です。
レンズ生地の表層に数ミクロンの厚さのコーティングを幾層にも重ねることによって、キズや汚れを防ぎ、耐久性や機能性をアップさせています。
■ ハードコート [キズ防止コート] :プラスチックレンズの場合、レンズ素材が外にむき出しだと簡単にキズがついてしまいます。そのような軽いキズを防ぐコーティングです。
■ マルチコート[反射防止コート]:レンズ表面の反射を防ぎ、視界を明るくさせるコーティングです。マルチの反射色はグリーンが一般的です。
■ CSコート[撥水コート]:レンズ表面の撥水性能を向上させたコーティングです。フッ素膜の改良により、水や油をはじくため、汚れが付きにくくなります。
窓ガラスに自分の像などが映りこむのと同じように、眼鏡レンズでも同じような現象が起こります。光の反射がそのような現象を引き起こすため、反射を抑えることが重要となってきます。
反射率が低いほど効果は高く、反射防止コートが付いていないタイプのレンズが8%~10%程度なのに対し、標準タイプの反射防止コートが付いたものは、おおよそ1%の反射率を実現しています。
また、反射を防止することは透過率を良くすることにもつながるため、視界を明るくすることが可能となります。
レンズ表面にフッ素成分による撥水性の高いコーティングを施しています。最近の研究で、フッ素膜の改良が進み、撥水性はさらに向上。水や油をはじくことで汚れがつきにくくなっています。
撥水コートはレンズを使用していくうちに効果は落ちていきます。これはレンズ表層のフッ素成分が、レンズを拭く度に汚れとともに落ちてしまうことが原因です。CSコートはその持続性も大幅に高めています。